パンフレットは売り手側がサービスや商品を広告宣伝し、読み手に関心を抱いてもらうために使用するもので、カタログのように仕様やプライス等の詳細な情報をひとつひとつ細かく説明・紹介するというよりは、その世界観やイメージを伝えるために使用されます。
顧客とのコンタクトポイントにおいて重要な役割を持ち、サービスや商品のブランドイメージを大きく左右します。まだその商品やサービスを採用するかを検討段階の読み手に対して、注意を惹きつけ、興味関心を持ってもらい、そこから欲求→意志決定とつなげることがパンフレット作成の目的と言えます。
適切に原稿・企画目的を理解し、パンフレットやカタログが伝えたい内容を効果的に伝達し、読み手の視線の動きを設計することが重要です。そのための作業がレイアウトです。以下に、3つのレイアウト事例をご紹介いたします。
文字をきれいに並べるのではなく、ジグザグに配置するなどリズムが出るようにメリハリをつけて配置したり、大小差をつけて大胆に文字をすべて右肩上がりにすることで、上昇や増加、ステップアップしていくパワーやエネルギーとともに、動きのある元気いっぱいのイメージを感じさせるパンフレットやカタログを作成します。
活発・元気・活動的なイメージを強調するために、紙面に盛り込む要素を多くします。
写真やイラスト、大きな文字など、視覚的な要素の点数を増やし版面率を高めます。
洗練・高級・余裕・ゆとりのある印象を与えるために、余白を多めにして版面率を下げます。ホワイトスペースは紙面の重要な要素です。ホワイトスペースを効果的に設けることにより、文章や写真などで使用される面積の割合が減り、窮屈さがなくなることで圧迫感が軽減され、ゆとりや余裕を感じさせ、すっきりした印象を与えることができます。
写真の大小に差をつけて余白を確保し版面率を下げ、紙面に余裕を感じさせることにより、落ち着いていて、上品で洗練された高級感を演出することができます。
このホワイトスペースを文字等の要素で埋めてしまうと窮屈さを感じさせてしまいます。
パンフレットやカタログ等の紙面を開いて最初に読者の視線を捉えるのは、大きな文字や写真・イラストです。例えば、それらの要素を上方に2点、下方に1点配置して逆三角形の構図をとると、適度な緊張感が生じ、退屈することなく動きのある変化に富んだ紙面に見せられます。逆に上方に1点、下方に2点の要素を配置した場合、三角形の構図になり安定感を感じさせることができます。
あえて、安定とは逆のレイアウトにすることにより、動きを感じさせ、適度な緊張感とともに注意を引き付けることができ注目も集めやすくなります。
写真の大小の変化によってもメリハリを持たせることができ、単調ではない、ほど良い緊張感を生み出せます。